わたしとあなたの特別な日常
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おかあさん
2005年07月09日 (土) 22:11 * 編集
まただ。また泣いてる。

さっきミルクもあげたばかりなのに。
おむつだってまだ濡れてないでしょ。

どうしてこんなに大きい声が出せるんだろう。
まだ産まれたばかりの小さな体で。

泣きわめく我が子を眺めて、私は途方に暮れる。


新生児は三時間おきに泣くもんだと思っていた。
他の子に比べても、この泣きっぷりは異常に思える。
どこか痛いのかと病院にも連れて行ったけれど、ただの夜泣きですよと看護婦さんに笑われた。

でも、ここのところ1時間も熟睡できていない。

私の何が悪いんだろう。

抱っこの仕方が悪いの?
ミルクが足りないの?
それとも、愛情不足?

私は駄目な母親だ。
また泣き出した赤ん坊を抱っこして、私も泣き出してしまった。


今日は、義父と義母が初めて娘に会いに来る日。
うちの姫は、大人しく笑ってくれるだろうか。

びぇぇぇぇぇぇ!!!

駄目だ。いつもより派手に泣いてる。

おばあちゃん、おじいちゃんが来たというのに、笑顔の一つも見せない。
義母に抱かれて、火がついたように泣きわめく娘。

きっと、私の育て方が悪いんだ。

情けなくなって肩を落とす。
このまま、まともに子育てなんかできるんだろうか。


「まぁまぁ!こんなに泣いて。元気な赤ちゃんでおばぁちゃん嬉しいわ」

義母の明るい声に顔を上げる。

「子供はね、泣くのが仕事。この子は肺が強くなるわねぇ」

あっけらかんと話す義母の横で、義父も口を開く。

「そういえば敬一も良く泣いてたな。たまにはあいつにも世話をさせんか」

「あの子なんか、放っておいたけど大きくなったわよ」


義母は泣きわめく娘を、立ったままであやし続けた。
膝が痛い痛いと言っていたのに。

飽くことなく娘の顔を覗き込んでは、その頬を愛しそうに撫でる義父。
いつも無愛想で、滅多に笑顔も見せない人なのに。


夕方、名残惜しそうに二人は帰っていった。
おっぱいがよく出るようにと、義母お手製の団子汁を残して。

「根を詰めすぎないようにね。この子は私達の大事な孫だけど、貴女も大事な娘なんだから」

帰り際、義母はそう言って私の肩を叩いた。


団子汁のおかげか、今晩はおっぱいの出が良い気がする。

「のんびり行こうか」
腕の中でおっぱいにしがみつく温もりに声を掛ける。


小さな怪獣が、やっと満足そうに笑った。


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