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わたしとあなたの特別な日常 

わたしとあなたの当たり前の毎日

でも あなたがいるから毎日特別

毎日が記念日みたいだね

小さな幸せ 大きな幸せ

大切なあなたに 「ありがとう」


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[ 2005/07/11 10:55 ] ちいさな物語 | TB(1) | CM(0)

おかあさん 

まただ。また泣いてる。

さっきミルクもあげたばかりなのに。
おむつだってまだ濡れてないでしょ。

どうしてこんなに大きい声が出せるんだろう。
まだ産まれたばかりの小さな体で。

泣きわめく我が子を眺めて、私は途方に暮れる。


新生児は三時間おきに泣くもんだと思っていた。
他の子に比べても、この泣きっぷりは異常に思える。
どこか痛いのかと病院にも連れて行ったけれど、ただの夜泣きですよと看護婦さんに笑われた。

でも、ここのところ1時間も熟睡できていない。

私の何が悪いんだろう。

抱っこの仕方が悪いの?
ミルクが足りないの?
それとも、愛情不足?

私は駄目な母親だ。
また泣き出した赤ん坊を抱っこして、私も泣き出してしまった。


今日は、義父と義母が初めて娘に会いに来る日。
うちの姫は、大人しく笑ってくれるだろうか。

びぇぇぇぇぇぇ!!!

駄目だ。いつもより派手に泣いてる。

おばあちゃん、おじいちゃんが来たというのに、笑顔の一つも見せない。
義母に抱かれて、火がついたように泣きわめく娘。

きっと、私の育て方が悪いんだ。

情けなくなって肩を落とす。
このまま、まともに子育てなんかできるんだろうか。


「まぁまぁ!こんなに泣いて。元気な赤ちゃんでおばぁちゃん嬉しいわ」

義母の明るい声に顔を上げる。

「子供はね、泣くのが仕事。この子は肺が強くなるわねぇ」

あっけらかんと話す義母の横で、義父も口を開く。

「そういえば敬一も良く泣いてたな。たまにはあいつにも世話をさせんか」

「あの子なんか、放っておいたけど大きくなったわよ」


義母は泣きわめく娘を、立ったままであやし続けた。
膝が痛い痛いと言っていたのに。

飽くことなく娘の顔を覗き込んでは、その頬を愛しそうに撫でる義父。
いつも無愛想で、滅多に笑顔も見せない人なのに。


夕方、名残惜しそうに二人は帰っていった。
おっぱいがよく出るようにと、義母お手製の団子汁を残して。

「根を詰めすぎないようにね。この子は私達の大事な孫だけど、貴女も大事な娘なんだから」

帰り際、義母はそう言って私の肩を叩いた。


団子汁のおかげか、今晩はおっぱいの出が良い気がする。

「のんびり行こうか」
腕の中でおっぱいにしがみつく温もりに声を掛ける。


小さな怪獣が、やっと満足そうに笑った。


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両親への贈り物

[ 2005/07/09 22:11 ] ちいさな物語 | TB(0) | CM(0)

天使 

「私、一人で産む」
「でも・・・子供なんて・・・」

凛とした彼女の表情。
私は彼女の告白に、ただおろおろするばかり。

「ちゃんと相談した方がいいよ」
「ううん。もう決めたから」

愛おしそうにお腹を撫でる彼女。
細身の彼女の体には、小さな命が宿っている。

自分の体に命が宿る。
今の私には想像も付かない。

命をかけて、新しい生命を生み出す。
そのあとは、自分の若さや時間を削って育児に追われる日々。

若さに満ちあふれて美しい彼女。
その突然の妊娠は、私には不幸に見えた。

「とりあえず実家に帰ることにしたの。彼にも言ってないけど」

珈琲が好きだった彼女は、今オレンジジュースを飲んでいる。
「カフェインとか。あまり良くないんだって」
穏やかに笑む彼女の横顔が、ウィンドウに映る。


彼女が、一人で姿を消してから数ヶ月。
私の部屋に、一枚のポストカードが届いた。

「うまれたよ」
彼女の手書きのメッセージ。

そして。

「元気な女の子です!」
彼女の文字の下には、不格好な男性の文字。


「もぉ・・・幸せそうな顔」

涙目になりながら、写真入りのカードを眺める。

今までで一番美しい彼女の隣には、緊張した面持ちで赤ちゃんを抱く男性の姿。


彼女そっくりの目元。
彼そっくりの口元。


天使を授かった二人に
心からの祝福を。



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[ 2005/07/09 16:01 ] ちいさな物語 | TB(0) | CM(0)

リング 

「私、できちゃったみたい」
彼女は、あっけらかんと俺に告げた。

突然のことで、声が出ない。

彼女のことはとても大事だ。
でも、俺たちは若すぎる。

大学を出たばかりの彼女と俺。
まだまだ遊びたいし、やりたいことも山のようにある。

子供の俺たちが、子供なんて。
正直、気が重い。

「もう、逢わない方がいいでしょ」
彼女は、いつものさばさばした調子で伝票をつかむ。
「私のことは気にしなくていいから。元気でね」

彼女の後ろ姿が人混みに紛れる。
俺は、引き止めることもできなかった。


彼女は綺麗に俺の前から姿を消した。
勇気を出して、アパートのドアを開けた時にはもぬけの殻で。


俺の、したいこと。
俺のこれからの人生。


「ねぇねぇ、ちょっと見てよ」
いつか、街路樹の脇に突然しゃがみ込んだ彼女。
「ほらほら、かたつむり。こんな都会にもいるんだね」
「そんなのどうだっていいじゃん」

いつも、彼女の目には沢山のものが映っていた。

忙しさに紛れて見逃すものも。
当たり前のように広がる空の中にも。
何かを見つけては、きらきらと目を輝かせていたっけ。

いつも、急かしてばかりの俺。
刺激にしか反応しない鈍った五感。


当たり前のものは、いつも失ってからその価値に気付く。
でも、それじゃ遅いんだ。


微睡みから目覚めて、君の姿を探す。


くたびれた鞄に、急いで荷物を詰め込む。
いつか聞いた彼女の故郷。


「あのね。空の色が違うの。此処とは全然違うんだよ」
バンドの練習の帰り道、くすんだ空に両手を広げた彼女。

「空なんて、何処も同じだろ」
「違うんだってば。来れば判るよ」


彼女の故郷へと向かう電車に乗り込む。


今度は、同じようにしゃがみ込んでかたつむりを見るよ。
とりあえずは、君の故郷の空の色を。

これからの人生、守りたいものがあってもいい。

産まれてくる命が、君と同じ目をしていればいいな。


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[ 2005/07/09 13:22 ] ちいさな物語 | TB(0) | CM(0)



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